2025年11月、GoogleがGemini 3の発表と同時にリリースした「Google Antigravity(グーグル アンチグラビティ)」が、開発者コミュニティに衝撃を与えています。これは単なるAI搭載エディタではなく、AIエージェントが主体となって開発を進める「エージェントファースト」の統合開発環境(IDE)です。
本記事では、Google Antigravityの基本概念から、具体的な使い方、料金、メリット・デメリット、他ツールとの比較まで徹底解説します。プログラミング初心者の方でも理解できるよう、専門用語には丁寧な解説を加えていますので、ぜひ最後までお読みください。
- Google Antigravityとは?基本概念を理解する
- Google Antigravityの4つの核心設計思想
- Google Antigravityの2つのインターフェース
- Google Antigravityのインストールと初期設定
- Google Antigravityの使い方:実践ガイド
- Google Antigravityの料金体系
- Google Antigravityのメリット
- Google Antigravityのデメリット
- 他のAI開発ツールとの比較
- Google Antigravityの活用シーン
- よくあるトラブルと解決方法(FAQ)
- Q1. ブラウザ操作機能が動作しない(mac)
- Q2. Gemini 3 Proが使えなくなった
- Q3. エージェントが意図と違うコードを生成する
- Q4. ターミナルコマンドが勝手に実行されて怖い
- Q5. Intel Macで使えない
- Q6. Google Workspaceアカウントでログインできない
- Q7. エージェントの動作が遅い
- Q8. 生成されたコードにバグがある
- Q9. 日本語のプロンプトは使える?
- Q10. プロジェクトのファイル構成が複雑で、エージェントが混乱する
- Q11. エージェントが途中で止まってしまう
- Q12. VS Code拡張機能が動作しない
- Q13. セキュリティが心配
- Q14. 料金はいつから有料になる?
- Q15. Antigravityで作成したコードの著作権は?
- Google Antigravityの将来展望
- まとめ:Google Antigravityは開発者の未来を変えるか
Google Antigravityとは?基本概念を理解する
定義:AIエージェントが主役の開発プラットフォーム
Google Antigravityは、Googleが開発した人工知能ベースの統合開発環境(IDE)です。2025年11月18日、最新AIモデル「Google Gemini 3」のリリースに合わせて発表されました。
最大の特徴は、「エージェントファースト(Agent-First)」という設計思想です。これは、AIが人間の補助をするのではなく、AIエージェントが自律的に計画・実行・検証まで行うという、従来のAI開発ツールとは一線を画すアプローチです。
| 従来のAI開発ツール | Google Antigravity |
|---|---|
| 人間がコマンドを実行 | AIがターミナルを操作・実行 |
| 人間がブラウザで確認 | AIがブラウザを開き、動作を目視確認 |
| エディタの中にAIがいる | AIエージェントの中に開発環境がある |
| コード補完・修正が中心 | 計画立案から検証まで一貫して実行 |
なぜ「Antigravity(反重力)」という名前なのか
「Antigravity」という名前には、「重力(Gravity)から解き放たれる」という意味が込められています。従来の開発では、コーディング、ターミナル操作、ブラウザでの動作確認など、様々なタスクが開発者に「重力」のようにのしかかっていました。
Antigravityは、これらの重労働をAIエージェントに任せることで、開発者を「反重力」状態にし、より創造的な設計や意思決定に集中できる環境を提供します。
注意:かつて存在した「Google Gravity」という遊び心のあるイースターエッグ(検索ページが崩れ落ちるWebエクスペリメント)とは全く別のものです。本記事では、2025年11月にリリースされたAI開発プラットフォームとしてのGoogle Antigravityについて解説します。
Gemini 3との関係性
Google Antigravityは、Googleの最新AIモデル「Gemini 3 Pro」を標準搭載しています。Gemini 3は、2025年11月時点で世界最高峰のコーディング能力を持つとされており、以下の特徴があります:
- 高度な推論能力:単発のコード生成だけでなく、長期的なタスク計画が可能
- 自律的な問題解決:エラーが発生しても自動で修正を試みる
- コンテキスト理解:プロジェクト全体の構造を把握し、一貫性のあるコードを生成
Antigravityは、このGemini 3の能力を最大限に引き出すために設計された「Gemini 3専用のUI」とも言えます。
Google Antigravityの4つの核心設計思想
Googleは、Antigravityを開発する際に、以下の4つの設計思想(Tenets)を掲げています。これらを理解することで、なぜAntigravityが革新的なのかが明確になります。
1. Trust(信頼):ブラックボックスからの脱却
AIに仕事を任せる際の最大の障壁は、「AIが裏で何をしているかわからない」という不信感です。Antigravityは、この問題を「Artifacts(アーティファクト:成果物)」という形で解決します。
Artifactsとは:
- 実装計画書(Implementation Plan):コードを書く前に作成される計画書
- タスクリスト:進捗状況がリアルタイムで確認できるToDoリスト
- ウォークスルー(Walkthrough):作業完了後の説明書・まとめ
- スクリーンショット・動画:ブラウザでの動作確認の証拠
これにより、ユーザーは「AIが正しく意図を理解し、正しく検証したか」を一目で確認でき、エージェントへの信頼(Trust)を築けます。
2. Autonomy(自律性):ブラウザ操作まで自動化
現在のAI開発ツールの多くは、エディタという箱の中に閉じ込められています。しかし、実際の開発作業はエディタの外(ターミナルやブラウザ)でも行われます。
Antigravityのエージェントは、以下の操作を自律的に(Autonomously)実行します:
- 新しいフロントエンド機能のコードを書く
- ターミナルを操作して「localhost」を立ち上げる
- ブラウザを操作して、新機能が正しく動くかテストする
- エラーが出たら修正し、再度テストする
Gemini 3のような高度なモデルにより、エージェントは複数のサーフェス(エディタ、ターミナル、ブラウザ)を自律的に行き来し、タスクを完遂します。
3. Feedback(フィードバック):非同期での協調
AIは完璧ではありません。80%の完成度で提出された成果物を、人間が残りの20%へと導く必要があります。
Antigravityでは、エージェントの作業プロセスを止めることなく、直感的なフィードバックが可能です:
- Googleドキュメント風のコメント機能:実装計画書にコメントを入れて軌道修正
- 画像への直接フィードバック:スクリーンショットの特定箇所を選択して修正指示
- 非同期処理:エージェントが作業中でもフィードバックを送信可能
このフィードバックは、即座にエージェントの実行プロセスに取り込まれ、軌道修正されます。
4. Self-improvement(自己改善):使うほど賢くなる
Antigravityは「学習」をプロダクトの核心機能として位置づけています。エージェントの活動はすべてナレッジベースに蓄積され、過去の作業から学び続けます。
これには、以下のような情報が含まれます:
- 有用なコードスニペット
- 特定のサブタスクを成功させるための手順
- プロジェクト固有のコーディングルール
- 過去のエラーと解決方法
使えば使うほど、あなたのチームの開発スタイルに特化したエージェントへと進化していきます。
Google Antigravityの2つのインターフェース
Antigravity最大の特徴は、開発スタイルに合わせて使い分ける2つのインターフェース(サーフェス)を持っている点です。
Editor View(エディタビュー):「現場」での作業
Editor Viewは、VS Codeなどの既存のエディタに慣れ親しんだ開発者にとって直感的な作業画面です。ここではユーザーが主体となり、AIは強力なアシスタントとして機能します。
主な機能:
| 機能名 | 説明 |
|---|---|
| Supercomplete | ファイル全体にわたる高度なコード補完。変数名の一括変更や、複数の関数定義を同時に更新 |
| Tab-to-Jump | 次に編集すべき箇所へ瞬時にカーソルをジャンプさせる |
| Tab-to-Import | 未インポートの依存関係を検出し、Tabキーで即座にインポート文を追加 |
| Command機能 | Cmd+I(Mac)/ Ctrl+I(Windows)で自然言語によるコード生成・修正 |
| Agent Side Panel | チャット形式で質問や対話を行う従来型のAIアシスタント |
こんな時に使う:
- 詳細な実装作業をしたい時
- デバッグやリファクタリングを行う時
- コードレビューをしながら修正したい時
Manager View(マネージャービュー):「司令室」での指揮
Manager Viewは、Antigravityの真骨頂とも言える、非同期(Asynchronous)な管理画面です。これまでの「エディタの中にAIがいる」という常識を覆し、「AIエージェントの中に開発環境が埋め込まれている」という逆転の発想で設計されています。
主な機能:
| 機能名 | 説明 |
|---|---|
| Workspace管理 | 複数のプロジェクト・リポジトリを同時に開き、それぞれで独立した会話を展開 |
| Playground | 本格的なワークスペースを作らずに、アイデアを素早く試せる軽量な実験環境 |
| Inbox | 全ての会話を一元管理。ターミナルコマンドの承認待ち、ブラウザ操作の確認待ちなどを見逃さない |
| Background Agents | リサーチ、バグ修正、バックログ消化などをエージェントに任せ、自分の集中を守る |
| Panes(パネルシステム) | ファイル、Artifacts、Knowledge Itemsなどを自由に分割・配置できる柔軟なパネル |
こんな時に使う:
- プロトタイプを素早く作りたい時
- 複数のプロジェクトを並行して進めたい時
- リサーチやドキュメント作成をAIに任せたい時
画面切り替えの方法
EditorとManagerは、Cmd + E(Mac)/ Ctrl + E(Windows)のショートカットキーで一瞬で切り替えられます。このショートカットは必ず覚えておきましょう。
Google Antigravityのインストールと初期設定
ここでは、Antigravityを実際に使い始めるための手順を、初心者の方でもわかるように詳しく解説します。
システム要件
まず、自分のパソコンが対応しているか確認しましょう。
| OS | 要件 |
|---|---|
| macOS | macOS 12(Monterey)以降 ※重要:Intel Macは非対応。Apple Silicon(M1/M2/M3/M4)必須 |
| Windows | Windows 10(64bit)以降 |
| Linux | glibc >= 2.28、glibcxx >= 3.4.25 (例:Ubuntu 20、Debian 10、Fedora 36、RHEL 8など) |
特に注意:Intel Macをお使いの方は、残念ながらGoogle Antigravityを使用できません。Apple Silicon搭載のMacが必要です。
インストール手順(ステップバイステップ)
ステップ1:ダウンロード
- 公式サイトからインストーラーをダウンロードします
- ダウンロードしたファイルを開き、インストールを開始します
ステップ2:セットアップフローの選択
初回起動時、以下の選択肢が表示されます:
- Start fresh:ゼロから設定する(推奨:初めての方)
- Import from VS Code / Cursor:既存のワークスペースをインポート
ステップ3:カラーテーマの選択
好みのカラーテーマを選択します。後から変更可能です。
ステップ4:エージェント権限の設定(重要)
エージェントにどれくらいの権限と自律性を与えるかを選択します。※後から設定で変更可能です
| モード | 説明 | おすすめ度 |
|---|---|---|
| Agent-driven development | エージェントが自律的に作業を進め、レビューをほとんど求めない | ★★☆(慣れてから) |
| Agent-assisted development | バランスの取れた設定。エージェントが必要に応じてレビューを求める | ★★★(推奨) |
| Review-driven development | 人間が常に確認しながら進める。エージェントは頻繁にレビューを要求 | ★★☆(慎重派向け) |
| Custom configuration | 全ての設定を自分で細かくカスタマイズ | ★☆☆(上級者向け) |
初めての方は「Agent-assisted development」がおすすめです。エージェントと協調しながら開発できるため、AIの動きを学びつつ、暴走を防げます。
ステップ5:エディタ環境の初期設定
- Keybindings(キーバインド):通常のキー操作かVimスタイルか選択
- Extensions(拡張機能):Python、JavaScript/TypeScriptなどの言語拡張を一括インストール(推奨:チェックを入れたまま)
- Command Line(コマンドライン):ターミナルから「agy」コマンドでAntigravityを起動できるようにする
ステップ6:Googleアカウントでサインイン
重要:現在は個人のGoogleアカウント(@gmail.com)のみ対応です。Google Workspaceアカウント(企業用メールアドレス)は、たとえ個人利用でも使用できません。
ステップ7:利用規約への同意
以下の内容に同意する必要があります:
- Antigravityには特定のセキュリティ上の制限があること
- データ流出や潜在的なコード実行のリスクがあること
- Googleがインタラクションデータを収集・使用すること
同意後、初期設定は完了です。
日本語化の方法
Antigravityのデフォルト言語は英語ですが、VS Code互換の拡張機能をインストールすることで日本語化が可能です。
- Editor Viewを開き、左サイドバーの拡張機能アイコン(四角いブロック)をクリック
- 検索バーに「Japanese」と入力
- 「Japanese Language Pack for Visual Studio Code」(Microsoft製)を選択
- 「Install」ボタンをクリック
- 警告画面が出たら「Trust Publisher & Install」をクリック
- インストール完了後、「Restart」ボタンが表示されるのでクリックして再起動
これで、メニューやUIが日本語化されます(一部の表記は英語のまま残る場合があります)。
Google Antigravityの使い方:実践ガイド
ここからは、実際にAntigravityを使って開発を進める具体的な方法を解説します。
基本的なワークフロー
1. プロジェクトの作成
Manager Viewから「Start Conversation」をクリックし、新しいプロジェクトを開始します。または、既存のフォルダを「Workspace」として開きます。
2. エージェントモードの選択
タスクの重さに応じてモードを選びます:
- Planning Mode(計画モード):複雑なタスク、深いリサーチ、共同作業向け。まず計画書を作成してから実行
- Fast Mode(高速モード):変数名の変更、簡単なコマンド実行など。計画を飛ばして即実行
基本は「Planning」を選びましょう。エージェントが暴走せず、ちゃんと計画を立ててくれます。
3. AIモデルの選択
会話プロンプトボックスの下にあるドロップダウンから、使用するAIモデルを選択できます。
| モデル名 | 特徴 |
|---|---|
| Gemini 3 Pro(High) | Antigravityの中核モデル。最も高い自律性と推論能力 |
| Gemini 3 Pro(Low) | 軽量なタスク向けのコスト効率の良いバージョン |
| Claude Sonnet 4.5 | Anthropic社の高いコーディング能力と安全性で定評のあるモデル |
| Claude Sonnet 4.5(Thinking) | 深い思考プロセスを伴うバージョン |
| GPT-OSS | OpenAIの技術に基づくオープンモデル |
推奨:複雑なタスクには「Gemini 3 Pro(High)」、簡単なタスクには「Gemini 3 Pro(Low)」を使い分けましょう。
4. プロンプトを入力
自然言語でやりたいことを入力します。例:
- 「Pythonでシンプルなタスク管理アプリを作って」
- 「このコードのバグを見つけて修正して」
- 「Reactでログインフォームを作成して」
5. 実装計画のレビュー
Planning Modeの場合、エージェントは「Implementation Plan(実装計画書)」を作成します。これをレビューして、以下のアクションを選択します:
- Proceed:計画に問題なし。実装を開始
- コメントを入力:修正点を指摘して軌道修正
- Reject:計画を却下して再提案を求める
6. 作業の進捗確認
エージェントが作業を進めると、Task Listに進捗がリアルタイムで表示されます。完了したタスクにはチェックマークが付きます。
7. 動作確認
エージェントは自動的にブラウザを開き、作成したアプリの動作を確認します。その様子はスクリーンショットや動画として記録され、Artifacts(成果物)として提示されます。
8. フィードバックと修正
成果物に問題があれば、自然言語でフィードバックを送ります:
- 「青色のテーマをオレンジ色に変更して」
- 「エラーハンドリングを追加して」
- 「コメントをすべてのメソッドに追加して」
エージェントは即座に修正を開始します。
Editor Viewでの作業
細かい実装作業は、Editor Viewで行います。
Tabキーの活用
- Supercomplete:Tabキーでコード補完を受け入れ
- Tab-to-Jump:次の編集箇所へジャンプ
- Tab-to-Import:未インポートのクラスを自動インポート
Tabキーを連打するだけで、import文の追加から次の編集箇所への移動まで自動で行われます。
Command機能(Cmd+I / Ctrl+I)
エディタ上で自然言語によるコード生成・修正ができます:
- エディタ上で:「ログインフォームのReactコンポーネントを作って」
- ターミナル上で:「ポート3000を使ってるプロセスをキルして」
Agent Side Panel(Cmd+L)
チャット形式でエージェントに質問や指示を出せます。「@」でファイルやMCP(外部ツール)を参照できます。
Browser Agent(ブラウザ操作機能)の使い方
Antigravityの最も革新的な機能の一つが、ブラウザ操作の自動化です。
何ができるのか
- 操作:クリック、スクロール、テキスト入力
- 視覚:スクリーンショット、動画撮影、コンソールログの読み取り
- 検証:アプリの動作確認、UIのテスト
初回設定(macの場合)
macユーザーの場合、初回利用時に以下の設定が必要です:
- アクセシビリティをON:システム環境設定 > プライバシーとセキュリティ > アクセシビリティで、Antigravityを許可
- Chrome拡張機能のインストール:Antigravity Browser Extensionをインストール
- Macを再起動:設定を反映させるため
使い方
プロンプトに「ブラウザで確認して」と入力すると、エージェントが自動的にブラウザを開き、アプリの動作を確認します。その様子はスクリーンショットや動画として記録されます。
Google Antigravityの料金体系
多くの方が気になる料金について、2025年11月時点の最新情報をお伝えします。
現在の料金(パブリックプレビュー期間)
2025年11月時点では、Google Antigravityは完全無料で利用できます。ただし、以下の制限があります:
| 項目 | 制限内容 |
|---|---|
| Gemini 3 Pro使用制限 | 5時間ごとにリセットされる制限あり(具体的な上限は非公表) |
| Tab補完 | 無制限 |
| Command機能 | 無制限 |
| 対応モデル | Gemini 3 Pro、Claude Sonnet 4.5、GPT-OSSなど |
注意:Googleのモデリングによれば、「パワーユーザーのごく一部しか5時間ごとの制限に達しない」とのことです。通常の使用では十分な容量が提供されています。
将来の料金プラン(予想)
パブリックプレビュー終了後、有料プランが導入される可能性があります。参考情報として、関連サービスの料金を示します:
| プラン名 | 月額料金 | 主な特典 |
|---|---|---|
| Google AI Pro | 2,900円 | Antigravity、2TBストレージ、毎月$10のGCPクレジット |
| Individual Plan(予想) | $0〜$20/月 | 無制限のTab補完、Gemini 3 Pro使用枠拡大 |
現時点では無料で利用できるため、今のうちに試してみることをおすすめします。
Google Antigravityのメリット
実際にAntigravityを使用して感じた、他のAI開発ツールと比較したメリットをまとめます。
1. 真の自律性:ターミナル操作からブラウザ確認まで
従来のAI開発ツール(CursorやGitHub Copilotなど)は、コードの補完や生成に特化していましたが、ターミナル操作やブラウザでの動作確認は人間が行う必要がありました。
Antigravityは、これらをすべて自動化します:
- コードを書く
- ターミナルでコマンドを実行
- ローカルサーバーを起動
- ブラウザで動作確認
- エラーが出たら修正して再テスト
この一連の流れを人間の介入なしで完結できるのは、2025年11月時点ではAntigravityだけです。
2. 透明性の高い作業プロセス
「AIが何をやっているかわからない」という不安を解消するため、AntigravityはArtifacts(成果物)という形で作業過程を可視化します:
- 実装計画書で「何をするか」を事前に確認
- タスクリストで進捗をリアルタイム確認
- スクリーンショット・動画で「本当に動いているか」を確認
これにより、AIへの信頼が高まり、安心して作業を任せられます。
3. VS Codeベースで学習コストが低い
AntigravityはVS Codeのフォークとして構築されているため、既存のVS Codeユーザーはすぐに使い始められます:
- キーバインドがそのまま使える
- VS Code拡張機能の多くが動作する
- 設定ファイルをインポートできる
新しいエディタを一から学ぶ必要がありません。
4. 複数のAIモデルを選択可能
Antigravityは、GoogleのGemini 3だけでなく、Claude、GPT-OSSなど複数のモデルをサポートしています。タスクに応じて最適なモデルを選べるのは大きな利点です。
| モデル | 得意なタスク |
|---|---|
| Gemini 3 Pro | 複雑なロジック、長期的なタスク計画 |
| Claude Sonnet 4.5 | 安全性重視のコード、ドキュメント作成 |
| GPT-OSS | オープンソースプロジェクト、汎用タスク |
5. Rules & Workflows(ルールとワークフロー)でカスタマイズ可能
プロジェクト固有のコーディングルールや、繰り返し実行するワークフローを定義ファイルとして保存できます:
- Rules(ルール):「すべてのコードをPEP 8スタイルに従わせる」など
- Workflows(ワークフロー):「各ファイルにユニットテストを生成する」など
これにより、チーム全体で一貫性のあるコードを保てます。
6. MCP(Model Context Protocol)で外部ツール連携
Antigravityは、MCP(Model Context Protocol)という標準規格を通じて、外部ツールやデータベースと連携できます:
- PostgreSQLのスキーマを読み込んでSQLを書かせる
- Linearのチケットを作成する
- Notionのドキュメントを検索する
開発に必要な情報をAIが自動で取得できるため、効率が大幅に向上します。
7. 完全無料(パブリックプレビュー期間)
2025年11月時点では、Gemini 3 Proを含むすべての機能が無料で利用できます。他の有料AIツールと比較して、圧倒的なコストパフォーマンスです。
Google Antigravityのデメリット
メリットだけでなく、実際に使って感じたデメリットも正直にお伝えします。
1. 生成速度が遅い
複数のユーザーレビューで指摘されているのが、Gemini 3 Proの生成速度の遅さです。特に複雑なタスクでは、計画立案から実装完了まで数分かかることがあります。
対策:
- 簡単なタスクには「Gemini 3 Pro(Low)」を使う
- 「Fast Mode」を活用する
- バックグラウンドエージェントに任せて、別の作業をする
2. コード品質にムラがある
AIが生成するコードには、以下のような問題が時々発生します:
- import文の漏れ
- 括弧の閉じ忘れ
- 変数名の不統一
- エッジケースの考慮不足
対策:
- 実装計画のレビュー段階でしっかり確認
- 「Review changes」機能で修正前にチェック
- Rulesを設定してコーディング規約を守らせる
3. Intel Macが非対応
macOSユーザーの中でも、Intel Macは使用できません。Apple Silicon(M1以降)のMacのみ対応です。
これは、Antigravityが最新の機能を活用するために、Apple Siliconの性能を前提としているためと考えられます。
4. Google Workspaceアカウントが使えない
企業用のGoogle Workspaceアカウント(@会社名.com)では、Antigravityにログインできません。個人のGmailアカウントのみ対応です。
対策:
- 個人用のGmailアカウントを作成して使用
- 将来的にWorkspaceアカウント対応が予定されているため、公式発表を待つ
5. セキュリティリスクの存在
利用規約でも明記されていますが、Antigravityには「データ流出や潜在的なコード実行のリスク」があります。
対策:
- 機密性の高いプロジェクトでは使用を避ける
- ターミナルコマンドの自動実行を「Auto」ではなく「Off」にする
- エージェントが実行するすべてのアクションを検証する
6. ブラウザ操作の初期設定が複雑(mac)
macユーザーの場合、ブラウザ操作機能を使うための初期設定が複雑です:
- アクセシビリティの許可
- Chrome拡張機能のインストール
- Macの再起動
これらの手順を踏まないと、ブラウザ操作機能が動作しません。
7. 日本語ドキュメントが少ない
2025年11月時点では、公式ドキュメントの多くが英語です。日本語のチュートリアルやトラブルシューティング情報はまだ少ない状況です。
対策:
- 本記事のような日本語解説記事を参考にする
- Google翻訳やDeepLを活用して公式ドキュメントを読む
- 日本語コミュニティの形成を待つ
他のAI開発ツールとの比較
Google Antigravityと、他の人気AI開発ツールを比較してみましょう。
| ツール名 | 特徴 | 料金 | 自律性 | ブラウザ操作 |
|---|---|---|---|---|
| Google Antigravity | エージェントファースト、Gemini 3搭載 | 無料(プレビュー期間) | ★★★★★ | ◎ |
| Cursor | VS Codeフォーク、高速なコード補完 | $20/月 | ★★★☆☆ | × |
| Windsurf | コラボレーション機能充実 | $10〜$25/月 | ★★★☆☆ | × |
| GitHub Copilot | GitHubとの深い連携 | $10/月 | ★★☆☆☆ | × |
| Cline(VS Code拡張) | VS Code内で動作、軽量 | 無料 | ★★★☆☆ | × |
総評:
- 自律性の高さではAntigravityが圧倒的
- 速度重視ならCursorやWindsurf
- コスト重視ならAntigravity(無料)またはCline(無料)
- GitHubとの連携ならGitHub Copilot
Google Antigravityの活用シーン
実際にどのような場面でAntigravityが威力を発揮するのか、具体例を紹介します。
1. プロトタイプの高速開発
シーン:新しいアプリのアイデアを素早く形にしたい
Antigravityの活用:
- Manager Viewで「Playground」を開く
- 「Pythonでシンプルなタスク管理アプリを作って」と指示
- エージェントが計画を立て、コードを生成
- ブラウザで自動的に動作確認
- 数分でプロトタイプ完成
2. レガシーコードのリファクタリング
シーン:古いコードベースを最新の設計パターンに書き換えたい
Antigravityの活用:
- Editor Viewで対象ファイルを開く
- Cmd+Lでエージェントを呼び出し、「このコードをクリーンアーキテクチャに沿ってリファクタリングして」と指示
- 実装計画をレビューして承認
- エージェントが段階的にリファクタリング
- 各段階でテストを自動実行
3. マルチプロジェクトの並行開発
シーン:複数のプロジェクトを同時に進めたい
Antigravityの活用:
- Manager Viewで複数のWorkspaceを開く
- プロジェクトAではバグ修正をエージェントに任せる
- プロジェクトBでは新機能の実装をエージェントに任せる
- 自分は設計やレビューに集中
- 各エージェントの進捗をInboxで一元管理
4. ドキュメント作成の自動化
シーン:コードベースのドキュメントを作成したい
Antigravityの活用:
- Workflowsに「generate-documentation」を作成
- 「各ファイルの先頭にdocstringを追加し、README.mdを生成して」と定義
- 「/generate-documentation」コマンドを実行
- エージェントがすべてのファイルを解析し、ドキュメントを自動生成
5. ユニットテストの自動生成
シーン:既存のコードにテストを追加したい
Antigravityの活用:
- Workflowsに「generate-unit-tests」を作成
- 「各メソッドのユニットテストを生成し、test_プレフィックスでファイルを作成して」と定義
- プロンプトで「/generate-unit-tests」を実行
- エージェントがすべてのメソッドに対応するテストを自動生成
よくあるトラブルと解決方法(FAQ)
実際に使っていて遭遇しやすい問題と、その解決方法をまとめました。
Q1. ブラウザ操作機能が動作しない(mac)
A. 以下の手順を確認してください:
- システム環境設定 > プライバシーとセキュリティ > アクセシビリティで、Antigravityを許可
- Antigravity Browser Extensionをインストール
- Antigravityを再起動
- Macを再起動
- 「ブラウザで確認して」とプロンプトを打ち、承認ボタンをクリック
Q2. Gemini 3 Proが使えなくなった
A. 5時間ごとの使用制限に達した可能性があります。以下を試してください:
- 5時間待ってから再度試す
- 「Gemini 3 Pro(Low)」に切り替える
- 「Claude Sonnet 4.5」など他のモデルを使用
Q3. エージェントが意図と違うコードを生成する
A. 以下の方法で軌道修正してください:
- 実装計画のレビュー段階でコメントを入れて修正指示
- プロンプトをより具体的に書き直す(例:「React Hooksを使って」「TypeScriptで」)
- Rulesファイルにコーディング規約を定義
Q4. ターミナルコマンドが勝手に実行されて怖い
A. 設定で自動実行を制限できます:
- 設定 > Agent > Terminal
- 「Terminal Command Auto Execution」を「Off」に変更
- Allow Listに許可するコマンドのみ登録
- Deny Listに危険なコマンド(rm、sudo、curl、wgetなど)を登録
Q5. Intel Macで使えない
A. 残念ながら、現時点ではIntel Macは非対応です。以下の選択肢があります:
- Apple Silicon搭載のMacを購入
- WindowsまたはLinuxマシンを使用
- 代替ツール(Cursor、Clineなど)を使用
Q6. Google Workspaceアカウントでログインできない
A. 現時点では個人用Gmailアカウントのみ対応です:
- 個人用のGmailアカウントを新規作成
- 将来的にWorkspace対応が予定されているため、公式発表を待つ
Q7. エージェントの動作が遅い
A. 以下の方法で速度を改善できます:
- 「Fast Mode」を使用(Planning Modeは遅い)
- 「Gemini 3 Pro(Low)」に切り替え
- プロンプトを簡潔にする
- バックグラウンドエージェントに任せて、別の作業をする
Q8. 生成されたコードにバグがある
A. 以下の手順で対処してください:
- Editor Viewで問題箇所を選択
- Cmd+Lで「このコードのバグを見つけて修正して」と指示
- または、「Explain and fix」機能を使用
- Problems(問題)パネルから「Send all to Agent」でまとめて修正依頼
Q9. 日本語のプロンプトは使える?
A. はい、日本語のプロンプトも使用可能です:
- Gemini 3 Proは日本語を理解します
- ただし、英語の方がより正確に意図を伝えられる場合があります
- 複雑な指示は英語で書くことを推奨
Q10. プロジェクトのファイル構成が複雑で、エージェントが混乱する
A. 以下の方法で改善できます:
- Rulesファイルにプロジェクト構造を明記
- 実装計画のレビュー段階で「templates/フォルダに保存して」など具体的に指示
- 「@」記法で特定のファイルやフォルダを参照
Q11. エージェントが途中で止まってしまう
A. 以下を確認してください:
- Inboxに承認待ちのタスクがないか確認
- ターミナルコマンドの実行許可待ちの可能性
- ブラウザ操作の許可待ちの可能性
- 「Auto-Continue」設定をONにすると、自動で継続
Q12. VS Code拡張機能が動作しない
A. 一部のVS Code拡張機能は非対応です:
- 公式ドキュメントで対応状況を確認
- 代替の拡張機能を探す
- AntigravityのIssueトラッカーに報告
Q13. セキュリティが心配
A. 以下の対策を推奨します:
- 機密性の高いプロジェクトでは使用を避ける
- ターミナルコマンドの自動実行を「Off」に設定
- ブラウザのAllowlistを厳格に管理
- エージェントが生成するコードを必ずレビュー
- データのバックアップを定期的に取る
Q14. 料金はいつから有料になる?
A. 2025年11月時点では公式発表されていませんが、以下の情報があります:
- パブリックプレビュー期間は無料
- 将来的に「Google AI Pro」プラン(月額2,900円)との統合が予想される
- 公式ブログや発表を注視することを推奨
Q15. Antigravityで作成したコードの著作権は?
A. 利用規約によれば:
- 生成されたコードの著作権はユーザーに帰属
- ただし、Googleはトレーニングデータとして使用する権利を持つ
- 機密性の高いコードを生成させる場合は、利用規約を再確認することを推奨
Google Antigravityの将来展望
2025年11月にリリースされたばかりのAntigravityですが、今後どのような進化が予想されるでしょうか。
1. マルチエージェントシステムの強化
現在でも複数のエージェントを並行して動かせますが、将来的にはエージェント同士が協調して作業する機能が追加される可能性があります:
- フロントエンド担当エージェントとバックエンド担当エージェントが連携
- テスト担当エージェントが自動的にバグを報告
- ドキュメント担当エージェントが自動的にREADMEを更新
2. Google Cloud Platformとの深い統合
既に「Google AI Pro」プランでは毎月$10のGCPクレジットが提供されていますが、将来的には:
- AntigravityからGCPへのデプロイを一発で実行
- Cloud RunやApp Engineへの自動デプロイ
- GCPのリソース管理をエージェントが自動化
3. チームコラボレーション機能
現在は個人利用が中心ですが、将来的には:
- チームメンバーとのエージェント共有
- ナレッジベースの共有によるチーム全体のスキル向上
- コードレビューの自動化
4. より多くの言語とフレームワークへの対応
現在でも主要な言語は網羅していますが、さらなる拡大が予想されます:
- Rust、Go、Kotlinなどの最新言語
- モバイルアプリ開発(Flutter、React Native)
- 機械学習フレームワーク(TensorFlow、PyTorch)
5. オンデバイスモデルの搭載
プライバシーとセキュリティの観点から、将来的には:
- ローカルで動作する軽量AIモデル
- 機密情報をクラウドに送信せずに処理
- オフライン環境での利用
まとめ:Google Antigravityは開発者の未来を変えるか
Google Antigravityは、「AIエージェントが主役」という革新的なアプローチで、開発者の働き方を大きく変える可能性を秘めています。
こんな人におすすめ:
- プロトタイプを素早く作りたい起業家・スタートアップメンバー
- 複数のプロジェクトを並行して進めるフリーランスエンジニア
- 最新のAI技術を試してみたい技術愛好家
- レガシーコードのリファクタリングに悩んでいる開発者
- コーディング以外の創造的な作業に時間を使いたい人
こんな人には向かないかも:
- Intel Macを使っている人(Apple Silicon必須)
- Google Workspaceアカウントしか持っていない人
- 機密性の極めて高いプロジェクトを扱う人
- AIへの依存を避けたい人
本記事のポイント:
- Google Antigravityは「エージェントファースト」の次世代IDE
- Gemini 3 Proを搭載し、計画・実装・検証まで自律的に実行
- EditorとManagerの2つのビューで柔軟な開発スタイルを実現
- 2025年11月時点では完全無料(パブリックプレビュー期間)
- ブラウザ操作の自動化など、他ツールにない革新的機能
- 生成速度の遅さ、コード品質のムラなどの課題も存在
- 初心者から上級者まで、幅広い開発者が恩恵を受けられる
2025年11月現在、Google Antigravityはまだパブリックプレビュー段階ですが、その潜在能力は計り知れません。無料で利用できる今のうちに、ぜひ試してみることをおすすめします。
AIが開発者に代わって作業する時代はもう始まっています。あなたも「反重力」の開発体験を、今すぐ手に入れてみませんか?
公式サイト:https://antigravity.google/
※本記事の情報は2025年11月時点のものです。最新情報は公式サイトをご確認ください。


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