2026年現在、Webマーケティングの世界においてアクセス解析の標準となっているのが「Googleアナリティクス4(GA4)」です。
かつての標準であったユニバーサルアナリティクス(UA)のデータ収集は2023年7月に終了し、2024年7月には過去データの閲覧も停止されました。現在、Webサイトやアプリの分析を行うすべての企業・個人にとって、GA4を深く理解し、使いこなすことは「推奨」ではなく「必須」のスキルとなっています。
しかし、導入から数年が経過してもなお、「UAとの違いに戸惑っている」「設定が複雑で使いこなせていない」「どの指標を見ればいいのか分からない」という声は少なくありません。
本記事では、GA4の基礎知識から、2026年時点での最新の導入・設定方法、現場で使える実践的なレポートの見方まで、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。
目次
- 1. GA4(Googleアナリティクス4)とは?基本を解説
- GA4の定義と特徴
- UA(ユニバーサルアナリティクス)との決定的な違い
- なぜ今、GA4の活用が重要なのか
- 2. GA4でできること・メリットとデメリット
- GA4を使うメリット
- GA4のデメリット・注意点
- 3. 【2026年版】GA4の導入・初期設定方法
- アカウントとプロパティの作成
- GTMを使ったトラッキングコードの設置
- 必ずやっておくべき初期設定(データ保持など)
- コンバージョン(キーイベント)の設定
- 4. GA4の基本的な使い方と画面の見方
- ホーム画面
- レポート機能
- 探索機能
- 5. 初心者がまず見るべき重要指標とレポート
- ユーザー数・セッション数・PV数の確認
- 流入元(どこから来たか)の分析
- コンバージョン(成果)の確認
- 6. さらなる活用へ:探索レポートとLooker Studio
- 7. まとめ
1. GA4(Googleアナリティクス4)とは?基本を解説
GA4の定義と特徴
GA4(Google Analytics 4)とは、Googleが提供する最新のアクセス解析ツールです。2020年10月にリリースされ、現在では世界中のWebサイト分析のデファクトスタンダードとなっています。
従来のGoogleアナリティクス(UA)が「セッション(訪問)」を軸にページ単位での計測を行っていたのに対し、GA4は「ユーザー」を軸に「イベント」単位での計測を行うのが最大の特徴です。これにより、Webサイトとアプリを横断したユーザー行動の把握や、動画視聴・スクロールといったページ遷移を伴わない行動の詳細な計測が可能になりました。
UA(ユニバーサルアナリティクス)との決定的な違い
UAとGA4は、単なるバージョンアップではなく「全く別のツール」と言えるほど計測の仕組みが異なります。主な違いを比較表で整理しました。
| 項目 | UA(旧バージョン) | GA4(現行バージョン) |
|---|---|---|
| 計測の軸 | セッション(訪問)単位 | ユーザー・イベント単位 |
| 計測対象 | Webサイト中心 | Webサイト + アプリ(統合データ) |
| 指標の定義 | 直帰率、ページビュー重視 | エンゲージメント重視 |
| データ保持期間 | 最大無期限(設定による) | 最大14ヶ月(無料版) |
| レポート機能 | 標準レポートが充実 | 「探索」によるカスタム分析が前提 |
| AI活用 | 限定的 | 機械学習による予測機能が標準搭載 |
ここがポイント:
「ページが何回見られたか」よりも「ユーザーがどのような体験(エンゲージメント)をしたか」を重視するのがGA4の設計思想です。
なぜ今、GA4の活用が重要なのか
2026年現在、ユーザーの行動は複雑化しています。PCで商品を検索し、通勤中にスマホアプリで詳細を確認、帰宅後にタブレットで購入する、といった行動は当たり前です。
クッキーレス(Cookie規制)の動きが加速する中で、従来のトラッキング手法だけでは正確なデータ取得が難しくなっています。GA4は機械学習モデルを活用することで、欠損したデータを補完し、プライバシーに配慮しつつユーザー行動を可視化できる唯一の無料ツールであるため、その習熟はWeb担当者にとって必須条件と言えます。
2. GA4でできること・メリットとデメリット
GA4を使うメリット
GA4を導入・活用することで得られるメリットは多岐にわたります。
- 無料で高機能な分析が可能
エンタープライズ級の解析ツールに匹敵する機能を無料で利用できます。特に、SQLベースで分析ができる「BigQuery」との連携が無料版でも可能になった点は革命的です。 - Webとアプリを統合して分析できる
「データストリーム」という概念により、WebサイトとiOS/Androidアプリのデータを1つのプロパティでまとめて管理・分析できます。 - ユーザーの行動を「イベント」として詳細に把握
クリック、スクロール、ファイルダウンロード、動画再生などが、追加のコード記述なし(拡張計測機能)で自動的に計測できるケースが増えました。 - 機械学習による予測機能
「購入する可能性が高いユーザー」や「離脱しそうなユーザー」をAIが予測し、Google広告と連携してアプローチすることが可能です。
GA4のデメリット・注意点
一方で、導入の障壁となる点も存在します。
- 学習コストが高い
UAとは画面や用語が大きく異なるため、操作に慣れるまで時間がかかります。 - データの保持期間が短い
デフォルトではデータの保持期間が「2ヶ月」となっており、設定変更しても最大「14ヶ月」です。長期間の分析にはBigQueryへのエクスポート等の対策が必要です。 - レポートのカスタマイズが必要
UAのように「開けばすべてのデータが見える」形式ではなく、自分が見たいデータを「探索」機能で作る必要があります。
3. 【2026年版】GA4の導入・初期設定方法
これからGA4を導入する場合、あるいは設定を見直す場合の最新手順を解説します。基本的にはGoogleタグマネージャー(GTM)を使用した導入を推奨します。
ステップ1:アカウントとプロパティの作成
- Googleアナリティクスの公式サイトにアクセスし、Googleアカウントでログインします。
- 「測定を開始」をクリックし、アカウント名を入力します。
- 「プロパティの作成」画面で、プロパティ名(サイト名など)、レポートのタイムゾーン(日本)、通貨(日本円)を設定します。
- ビジネス情報を入力し、「作成」をクリックします。
- データ収集の対象(プラットフォーム)を選択します。Webサイトの場合は「ウェブ」を選びます。
- WebサイトのURLとストリーム名を入力し、「ストリームを作成」をクリックします。
[画像:GA4プロパティ作成とデータストリーム設定画面]
ステップ2:GTMを使ったトラッキングコードの設置
プロパティ作成後に発行される「測定ID(G-から始まるコード)」を使用します。
- Googleタグマネージャー(GTM)を開き、「タグ」>「新規」をクリックします。
- タグの種類で「Googleタグ」を選択します。(※以前は「GA4設定タグ」でしたが、現在は「Googleタグ」に統合されています)
- 「タグID」の欄に、GA4の測定ID(G-xxxxxxx)を入力します。
- トリガーに「All Pages(全ページ)」を選択し、保存して公開します。
ステップ3:必ずやっておくべき初期設定
導入直後に必ず変更すべき設定がいくつかあります。後から変更しても過去のデータには適用されないため、最初に行いましょう。
データの保持期間の変更
デフォルトの「2ヶ月」では、前年同月比などの分析ができません。
設定場所:管理 > データの収集と修正 > データの保持
設定内容:イベントデータの保持を「14ヶ月」に変更して保存。
IPアドレスの除外(内部トラフィックの定義)
自社社員や関係者からのアクセスを除外して、正確なデータを計測します。
設定場所:管理 > データの収集と修正 > データストリーム > タグ設定を行う > もっと見る > 内部トラフィックの定義
設定内容:除外したいIPアドレス(会社のIPなど)を登録します。
Googleシグナルの有効化
クロスデバイスでのユーザー追跡や、リマーケティングリストの作成に必要です。
設定場所:管理 > データの収集と修正 > データの収集
設定内容:Googleシグナルのデータ収集を「有効にする」。
ステップ4:コンバージョン(キーイベント)の設定
2024年以降、GA4ではコンバージョンという用語が「キーイベント」に変更されました(Google広告上のコンバージョンと区別するため)。
お問い合わせ完了ページ(サンクスページ)への到達などをキーイベントとして設定します。
- 管理 > データの表示 > イベント を開きます。
- 「イベントを作成」から、例えば
event_nameがpage_viewかつpage_locationがthanks.htmlを含む、といった条件で新しいイベントを作成します。 - 作成したイベントが計測され始めたら、「キーイベント」としてトグルスイッチをONにします。
4. GA4の基本的な使い方と画面の見方
設定が完了し、データが蓄積され始めたら、実際に画面を見てみましょう。GA4の画面は主に3つのセクションで構成されています。
ホーム画面
ログイン直後に表示される画面です。AIが提案する「インサイト」や、最近のアクセス状況、よく見られているページなどがダッシュボード形式で表示されます。全体像をざっくり把握するのに適しています。
[画像:GA4ホーム画面の概要]
レポート機能
左側メニューの「レポート」アイコンからアクセスします。定点観測すべき基本的な指標がまとまっています。
「集客」「エンゲージメント」「収益化」「ユーザー属性」などのカテゴリに分かれており、UAの標準レポートに近い感覚で利用できます。
探索機能
左側メニューの「探索」アイコンからアクセスします。ドラッグ&ドロップでディメンション(分析軸)と指標(数値)を組み合わせ、自由な形式で表やグラフを作成できる機能です。
詳細な分析を行う場合は、レポート機能ではなく、この探索機能を使うことがGA4活用の基本となります。
5. 初心者がまず見るべき重要指標とレポート
「機能が多すぎてどこを見ればいいか分からない」という方は、以下の3つのポイントからチェックを始めましょう。
① どれくらいの人が見に来ているか(ユーザー数・PV数)
サイト全体の規模感を把握します。
- 見るべきレポート:レポート > エンゲージメント > 概要
- 主要な指標:
- 表示回数:いわゆるPV(ページビュー)数です。
- アクティブユーザー数:実際にサイトを閲覧しているユーザーの数。GA4では「総ユーザー数」よりも、この「アクティブユーザー数」が重視されます。
② どこから来ているか(流入元)
集客施策の効果を確認します。
- 見るべきレポート:レポート > 集客 > トラフィック獲得
- 主要な項目(チャネルグループ):
- Organic Search:検索エンジンからの自然検索流入。SEOの効果指標です。
- Paid Search / Display:Web広告からの流入。
- Referral:他サイトのリンクからの流入。
- Social:SNSからの流入。
- Direct:ブックマークやURL直接入力、アプリからの流入など。
[画像:トラフィック獲得レポート画面]
③ 成果につながっているか(コンバージョン/キーイベント)
ビジネスのゴール達成状況を確認します。
- 見るべきレポート:レポート > エンゲージメント > キーイベント
- 確認方法:設定したキーイベント(購入、問い合わせなど)ごとの発生回数を確認します。「トラフィック獲得」レポートと組み合わせて、「どのチャネルからの流入がコンバージョンしやすいか」を分析するのが効果的です。
6. さらなる活用へ:探索レポートとLooker Studio
GA4の標準レポートだけでは見づらい、あるいは毎回設定するのが手間だと感じる場合は、外部ツールや探索レポートのテンプレート化が有効です。
探索レポートの活用例
「自由形式」を使用し、行に「ランディングページ」、列に「デバイスカテゴリ」、値に「セッション」「キーイベント」を設定すれば、「どのページの・どのデバイスで・成果が出ているか」を一目で把握できるクロス集計表が作成できます。
Looker Studio(ルッカースタジオ)との連携
Googleが提供する無料のBIツール「Looker Studio」とGA4を連携させることを強くおすすめします。
一度レポートを作成すれば、日付を変えるだけで自動的に最新データが反映されたレポートが出力されます。社内報告用の月次レポート作成工数を大幅に削減できます。
内部リンク:Looker Studioの使い方とGA4連携方法はこちら
7. まとめ
GA4は、単なるアクセス解析ツールから、ユーザーの行動や体験を深く理解するためのマーケティングプラットフォームへと進化しました。
本記事の要点まとめ:
- GA4は「ユーザー」×「イベント」で計測するツールである。
- UAとは計測定義が異なるため、数値の単純比較はできない。
- 初期設定(データ保持14ヶ月、IP除外など)は導入時に必ず行う。
- まずは「エンゲージメント(概要)」と「トラフィック獲得」レポートで現状を把握する。
- 高度な分析には「探索」機能やLooker Studioを活用する。
2026年の現在、GA4を使いこなせることはWeb担当者の強力な武器となります。まずは毎日の数値チェックから始めて、徐々に「探索」などの高度な機能に触れてみてください。データに基づいたサイト改善(CRO)が、ビジネスの成果を大きく変えるはずです。


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